ロゴフスキーコイルについて解説。非接触で電流測定を可能にするこのコイルの原理、構造、及び産業での応用を簡潔に紹介。
ロゴフスキーコイルとは
ロゴフスキーコイルは電流の測定に用いられる装置です。このコイルはロシアの物理学者、ウォルター・ロゴフスキーによって考案されました。彼の名を冠しており、その特異な形状は電磁誘導の原理を利用して非接触で電流を測定することを可能にします。
ロゴフスキーコイルの原理
電磁誘導の法則によると、変化する磁場がコイルを通過するとコイルに電圧が生じます。この原理を利用して、ロゴフスキーコイルは中を流れる電流によって生じた磁場の変化を検出し、その電流の大きさを測定することができるのです。
ロゴフスキーコイルの構造
ロゴフスキーコイルは、通常、2つの相互に結合されたコイルから成り立っています。それぞれのコイルは長い帯状の導体がらせん状に巻かれており、互いに対称な構造をしています。このように結合することで、外部の磁場の影響を打ち消し合い、測定しようとする電流に由来する磁場だけを感知することができるようになります。
ロゴフスキーコイルの応用
このコイルは大電流を測定する際に特に有用です。たとえば、発電所や変電所での電流監視、電気自動車のバッテリー試験、あるいは工業施設での装置の監視などに使用されることがあります。また、ロゴフスキーコイルはサージ電流やインパルス電流を測定するのにも適しています。
まとめ
ロゴフスキーコイルは非常に実用的で、多くの産業分野で必要不可欠なツールとなっています。非接触性と高い測定範囲を持つこの装置は、電磁誘導の優れた応用例と言えるでしょう。物理や工学に興味を持つ人々にとって、ロゴフスキーコイルの仕組みを理解することは、電気と磁気の基本的な関係を学ぶ上で非常に有効です。
