ひずみゲージとは、物体にかかる力を計測するセンサーで、工学分野や日常製品で応力や重量を測るために用いられます。
ひずみゲージとは
ひずみゲージとは、物体に加わる力、すなわちひずみを計測するためのセンサーです。工学のさまざまな分野で応用されており、力学的な応力、圧力、重量などを計測するために不可欠なツールです。
ひずみゲージの原理
ひずみゲージは電気抵抗の変化を利用して物体のひずみを測定します。物体が外力を受けると形状が変化し、ひずみが発生します。このひずみによってひずみゲージの導体または半導体の長さが変わり、断面積が変わります。これによりその電気抵抗値が変化するため、この抵抗値の変化を測定することで物体のひずみを計測することができます。
ひずみゲージの構造と種類
一般的なひずみゲージは、薄い金属箔または半導体素材を基盤の上に固定したものです。金属箔タイプ、半導体タイプ、光ファイバータイプなどさまざまな種類があり、用途に応じて選ばれます。
- 金属箔タイプ: 金属箔を用いており、汎用性が高く低コストである。
- 半導体タイプ: 半導体素材を用いており、感度が高いが、温度に対して敏感であるため、温度補償が必要となることがある。
- 光ファイバータイプ: 光の干渉を利用してひずみを検出するため、電磁気的なノイズの影響を受けにくい。
ひずみゲージの応用例
ひずみゲージは、橋やビルなどの建築物のひずみを監視するために使用されることが多いです。また、自動車や航空宇宙産業においては、部品の応力テストや耐久性評価のために利用されています。さらには、体重計や血圧計などの日常生活の製品にも応用されています。
ひずみゲージの読み出しと処理
ひずみゲージからのデータは通常、ウィートストンブリッジ回路と呼ばれる電気回路を使って処理されます。ウィートストンブリッジは、ひずみゲージを含む4つの抵抗器をダイヤモンド型に接続したものです。回路のバランスが力を受けて変化すると、電圧の変化が生じ、これを測定することでひずみを計測します。
ひずみゲージのデータはアナログ信号であり、通常はアナログ-デジタル変換器を通してコンピュータで処理されます。これにより、リアルタイムでのモニターや、後で解析するためのデータの記録が可能となります。
まとめ
ひずみゲージは、現代の工学において欠かせない計測ツールです。その精度の高さと汎用性により、産業界はもちろん、日常生活の中でも重要な役割を果たしています。物理学の基本的な原理を応用して設計されたひずみゲージは、私たちがどのようにして物体の応力を測定し、構造物の安全性を確保しているかを理解する上で非常に興味深い例です。