LC回路の基礎
LC回路は、インダクタ（L）とキャパシタ（C）から構成される電気・電子システムの重要な要素です。これらの回路は、インダクタの磁場とキャパシタの電場の間でエネルギーを蓄え、交換することによって振動・共振する能力を特徴としています。フィルター、発振器、調整回路など、様々な用途で使用されます。
LC回路の種類
LC回路には二つのタイプがあります。
- 直列LC回路：インダクタとキャパシタが直列に接続され、回路の全インピーダンスは個々のインピーダンスの合計です。
- 並列LC回路：インダクタとキャパシタが並列に接続され、回路の全アドミッタンスは個々のアドミッタンスの合計です。
共振
特定の周波数（共振周波数 fr）で、LC回路のリアクティブ部品が互いに打ち消し合い、純粋な抵抗性インピーダンス（直列LC回路の場合）または純粋な導電性アドミッタンス（並列LC回路の場合）となります。共振周波数は、インダクタとキャパシタの値によって決定されます：
fr = 1 / (2 * π * √(L * C))
応用
- フィルター：LC回路は、特定の周波数を通過させ、他を減衰させるバンドパスフィルターやバンドストップフィルターとして使用できます。
- 発振器：トランジスタやオペアンプなどのアクティブ部品と組み合わせることで、継続的な周期波形を生成する発振器を作ることができます。
- 調整回路：RF応用での調整回路やインピーダンスマッチング、受信機と送信機の周波数選択回路、RFフィルターなどにLC回路が利用されます。
- エネルギー貯蔵と転送：インダクタの磁場とキャパシタの電場の間でエネルギーを貯蔵し、転送するためにLC回路が使用されます。
計算例
与えられた値：
- インダクタ（L）: 100 mH (0.1 H)
- キャパシタ（C）: 10 µF (10 × 10-6 F)
- キャパシタにかかる初期電圧（VC0）: 5 V
LC回路の自然周波数（f）と、時刻t=0での回路に蓄えられたエネルギー（E）を計算します。
自然周波数（f）の計算：
f = 1 / (2 * π * √(L * C))
f ≈ 159.15 Hz
t=0での回路に蓄えられたエネルギー（E）の計算：
EC = 0.5 * C * (VC0)2
EC ≈ 1.25 × 10-4 J
この例では、LC回路の自然周波数と初期時刻での回路に蓄えられたエネルギーの計算方法を示しました。
