RLC回路 | 特徴・用途・事例

RLC回路の基礎

RLC回路は、抵抗器(R)、インダクター(L)、キャパシター(C)から構成される電気・電子システムの基本的な構成要素です。これらの回路は、抵抗的、誘導的、容量的要素の相互作用により複雑な挙動を示します。RLC回路は、フィルター、発振器、過渡応答解析など様々な用途に使用されます。

RLC回路の種類

RLC回路は、次の2つのタイプに分類されます。

  • 直列RLC回路:抵抗器、インダクター、キャパシターが直列に接続され、回路の全インピーダンス(Z)は個々のインピーダンスの合計です。
  • 並列RLC回路:抵抗器、インダクター、キャパシターが並列に接続され、回路の全アドミタンス(Y)は個々のアドミタンスの合計です。

共振

特定の周波数である共振周波数(fr)で、RLC回路のリアクティブコンポーネントは互いに相殺され、直列RLC回路では純粋に抵抗的なインピーダンス、並列RLC回路では純粋に導電性のアドミタンスとなります。共振周波数はインダクターとキャパシターの値によって決まります。

fr = 1 / (2 * π * √(L * C))

インピーダンスとアドミタンス

直列RLC回路:Z = R + j(XL – XC) = R + j(ωL – 1/(ωC))、ここで ω = 2 * π * f

並列RLC回路:Y = G + j(BC – BL) = 1/R + j(ωC – 1/(ωL))、ここで ω = 2 * π * f

アプリケーション

RLC回路は次のような様々な用途に使用されます。

  • フィルター:コンポーネントの配置と出力の位置に応じて、RLC回路は低域通過フィルター、高域通過フィルター、帯域通過フィルター、帯域阻止フィルターとして使用できます。これらのフィルターは、特定の周波数範囲を選択的に通過または減衰させるため、信号処理アプリケーションに理想的です。
  • 発振器:トランジスターやオペレーショナルアンプなどのアクティブコンポーネントと組み合わせることで、連続的な周期波形を生成する発振器を作成することができます。これらの発振器は、信号生成、周波数合成、クロック回路に使用されます。
  • 過渡応答解析:RLC回路は、過渡応答の解析にもよく使用されます。これには、過小減衰、過大減衰、臨界減衰の挙動が含まれます。RLC回路の過渡応答を分析することで、より複雑なシステムのダイナミクスを理解するのに役立ちます。
  • 調整回路:RLC回路は、無線周波数(RF)アプリケーションで、アンテナシステムのチューニングやインピーダンス整合、受信機や送信機の周波数選択回路、RFフィルターなどに使用される調整回路として利用できます。

計算例

以下に、特定の周波数でAC電圧源に接続された直列RLC回路のインピーダンス、電流、および各コンポーネントの電圧を計算する例を示します。

与えられた値:

  • AC電圧源(Vsource): 20 Vrms
  • 周波数(f): 50 Hz
  • 抵抗器(R): 100 Ω
  • インダクター(L): 200 mH (0.2 H)
  • キャパシター(C): 20 µF (20 × 10-6 F)

インダクティブリアクタンス(XL)とキャパシティブリアクタンス(XC)を計算します。

XL = 2 * π * f * L ≈ 62.83 Ω

XC = 1 / (2 * π * f * C) ≈ 159.15 Ω

RLC回路の全インピーダンス(Z)を計算します。

Z = √(R2 + (XL – XC)2) ≈ 142.34 Ω

回路を流れる電流(I)を計算します。

I = Vsource / Z ≈ 0.141 A (rms)

抵抗器(VR)、インダクター(VL)、キャパシター(VC)にかかる電圧を計算します。

VR = I * R ≈ 14.1 V (rms)

VL = I * XL ≈ 8.86 V (rms)

VC = I * XC ≈ 22.42 V (rms)

各コンポーネントの電圧の二乗和は、回路のエネルギー保存のためにソース電圧の二乗に等しくなります。

(Vsource)2 ≈ (VR)2 + (VL)2 + (VC)2

この例は、特定の周波数でAC電圧源に接続された直列RLC回路のインピーダンス、電流、各コンポーネントの電圧を計算する方法を示しています。

RLC Circuits

 

header - logo

The primary purpose of this project is to help the public to learn some exciting and important information about electricity and magnetism.

Privacy Policy

Our Website follows all legal requirements to protect your privacy. Visit our Privacy Policy page.

The Cookies Statement is part of our Privacy Policy.

Editorial note

The information contained on this website is for general information purposes only. This website does not use any proprietary data. Visit our Editorial note.

Copyright Notice

It’s simple:

1) You may use almost everything for non-commercial and educational use.

2) You may not distribute or commercially exploit the content, especially on another website.