NPNトランジスタとPNPトランジスタの違いを解説。動作原理や用途、回路での使い分けについて初心者向けにわかりやすく説明します。
NPNトランジスタとPNPトランジスタの違いとは?
トランジスタは、電子工学における基本的な構成要素の一つであり、電流の増幅やスイッチングに使用されます。トランジスタには主にNPN型とPNP型の二種類があります。この二つのバージョンは基本的な動作原理は同じですが、電流の流れやバイアスのかけ方に違いがあります。ここでは、NPNトランジスタとPNPトランジスタの違いについて詳しく説明していきます。
NPNトランジスタとは
NPNトランジスタは、n-型半導体、p-型半導体、n-型半導体の順に層が配置された構造を持ちます。三つの端子、すなわちエミッタ、ベース、そしてコレクタがあります。
- エミッタ(E): 電子が供給される端子。
- ベース(B): 電流が制御される端子。
- コレクタ(C): 電流が出ていく端子。
NPNトランジスタの場合、電子が供給されるのはエミッタからで、コレクタへ流れます。この流れを制御するために、ベースに微弱な電流が流れます。つまり、ベース-エミッタ間の電圧が正(0.7V程度)である場合に動作します。
PNPトランジスタとは
一方、PNPトランジスタは、p-型半導体、n-型半導体、p-型半導体の順に層が配置されています。こちらも三つの端子を持ちますが、電流の流れる方向が逆になります。
- エミッタ(E): ホールが供給される端子。
- ベース(B): 電流が制御される端子。
- コレクタ(C): 電流が出ていく端子。
PNPトランジスタの場合、ホールがエミッタから供給され、コレクタへ流れます。この流れを制御するために、ベースに微弱な電流が流れます。PNPトランジスタが動作するためには、ベース-エミッタ間の電圧が負(-0.7V程度)である必要があります。
NPNトランジスタとPNPトランジスタの違い
- 電流の流れの方向: NPNトランジスタではエミッタからコレクタへ電子が流れますが、PNPトランジスタではエミッタからコレクタへホールが流れます。
- ベース-エミッタ間のバイアス: NPNトランジスタでは正バイアスが必要ですが、PNPトランジスタでは負バイアスが必要です。
- 回路記号: NPNトランジスタはエミッタから外向きの矢印、PNPトランジスタはエミッタから内向きの矢印が描かれます。
以上のように、NPNトランジスタとPNPトランジスタは構造や電流の流れ方、バイアスのかけ方に違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、より効果的に電子回路に活用することができます。