NORゲートの概要と基本知識:デジタル回路で不可欠な論理否定ORを担う重要な構成要素を解説し、その論理式や真理値表、応用例について紹介します。
NORゲートとは
NORゲートはデジタル回路の基本的な構成要素の一つであり、論理ゲートの一種です。デジタル信号の処理における「論理否定OR(OR NOT)」を実現するために使用されます。NORゲートの出力は、すべての入力がLOWの時のみHIGHになり、一つでも入力がHIGHになれば出力はLOWになるという特性を持っています。
NORゲートの論理式と真理値表
NORゲートは、以下の論理式で表されます。
Y = ¬(A + B)
ここで、「+」は論理和(OR)、記号「¬」は論理否定(NOT)を意味し、AとBは入力信号、Yは出力信号です。
2入力NORゲートの真理値表は以下の通りです。
- 入力AがLOW、入力BがLOWの場合、出力YはHIGH
- 入力AがLOW、入力BがHIGHの場合、出力YはLOW
- 入力AがHIGH、入力BがLOWの場合、出力YはLOW
- 入力AがHIGH、入力BがHIGHの場合、出力YはLOW
真理値表 :
A | B | Y |
---|---|---|
0 | 0 | 1 |
0 | 1 | 0 |
1 | 0 | 0 |
1 | 1 | 0 |
NORゲートの応用
NORゲートは、他の論理ゲートを生成することが可能な「ユニバーサルゲート」としての性質を有しています。つまり、NORゲートのみを用いてANDゲートやORゲート、NOTゲート、NANDゲートなどの基本論理ゲートを作ることができるのです。そのため、デジタル回路を設計する際に非常に強力なツールとなります。
例えば、NORゲートを使ってNOTゲートを作るには、両方の入力に同じ信号を与えればよいのです。
- 入力AがLOWかつ入力BがLOWの場合(AとBが同じ場合)、出力YはHIGHとなり、NOT A の効果が得られます。
- 入力AがHIGHかつ入力BがHIGHの場合(AとBが同じ場合)、出力YはLOWとなり、再びNOT A の効果が得られます。
このようにして、NORゲートが論理回路設計において非常に重要な役割を果たしています。
まとめ
NORゲートは、デジタル回路の世界において基礎的かつ強力な構成要素です。その単純な動作原理に反して、その応用は無限大であり、複雑なデジタルシステムを構築する際には欠かせない存在となっています。NORゲートを理解することは、電子工学およびコンピュータサイエンスへの入門として非常に有効です。