電磁波における波動方程式
電磁波の伝播を記述する波動方程式は、無線波、光、X線などの電磁波が空間や媒体を通過する過程を表します。この方程式は、電場と磁場の振る舞いを統治するマクスウェルの方程式から導出されます。電荷や電流が存在しない(ソースフリー領域)場合、電場(E)と磁場(B)のための波動方程式は以下のように与えられます:
これらの方程式において、∇²はラプラシアン演算子(勾配の発散を表す)、cは真空中の光速、∂²/∂t²は時間に関する二階偏微分を表します。電場と磁場のための波動方程式は、空間と時間における場の変化を記述する二階偏微分方程式です。真空または均一な媒体では、これらの方程式の解は正弦波の平面波として表されます:
ここで、E₀とB₀は電場と磁場の振幅、kは波の伝播方向を指す波数ベクトル、ωは角周波数、rは位置ベクトル、tは時間、φは位相定数です。電磁波における波動方程式は、電磁波の挙動や特性、その伝播、干渉、反射、屈折、偏光などを理解する上で基本となります。また、アンテナ、導波管、光ファイバーなどの様々なシステムの分析や設計、自然界の電磁現象(例えば太陽放射や宇宙マイクロ波背景放射)の研究に不可欠です。