回路でのオペアンプの仕組みとは? オペアンプの基本概念、動作原理、用途や回路設計における役割を初心者にも分かりやすく解説します。
回路でのオペアンプの仕組みとは?
オペアンプ(オペレーショナルアンプ、Operational Amplifier)は、エレクトロニクスの世界で広く使用されている高増幅電子部品です。オペアンプは測定、フィルタリング、および数学的操作(加算、減算など)を行うために使用されます。今回は、回路でのオペアンプの基本的な仕組みについて解説します。
オペアンプの基本構造
- 差動入力: オペアンプには2つの入力端子があります。非反転入力(V+)と反転入力(V–)です。
- 単一出力: オペアンプは1つの出力端子(Vout)を持っています。
- 電源端子: オペアンプは通常、正電源(VCC)と負電源(-VEE)で駆動されます。
オペアンプの理想特性
- 無限のオープンループ増幅率(AV)
- 無限の入力インピーダンス
- ゼロの出力インピーダンス
- 無限のバンド幅
- ゼロのオフセット電圧
現実のオペアンプはこれらの理想的な特性を完全には持ちませんが、非常に近い性能を持っています。
オペアンプの基本的な動作
オペアンプは差動増幅器として機能します。すなわち、非反転入力と反転入力の差を増幅します。この差を入力差電圧(Vd = V+ – V–)とします。理想的なオペアンプの出力電圧は次のように表されます:
Vout = AV * Vd
ここで、AVはオープンループ増幅率です。Vdが非常に小さくても、AVが非常に大きいため、Voutは非常に大きくなります。
フィードバックと安定動作
多くのオペアンプ回路はフィードバックを使用して制御されます。負帰還(ネガティブフィードバック)を利用することで、オペアンプの動作を安定させ、出力電圧を制御します。負帰還により、以下の利点があります:
- ゲイン(増幅率)のコントロール
- 入出力インピーダンスの改善
- バンド幅の広がり
- 歪みの減少
代表的なオペアンプ回路
反転増幅回路
反転入力に信号を加え、非反転入力を接地する基本回路です。この回路では、入力信号(Vin)に反転して増幅された信号が出力されます。
Vout = – (Rf / Rin) * Vin
非反転増幅回路
非反転入力に信号を加え、反転入力をフィードバックを介して制御する回路です。この回路では、入力信号と同じ位相で増幅された信号が出力されます。
Vout = (1 + Rf / Rg) * Vin
結論
オペアンプは多くの用途に使用される非常に汎用性の高い電子部品です。基本的な動作原理と代表的な回路を理解することで、より高度な回路設計やアプリケーションに応用することができます。これを機にオペアンプの世界に興味を持ち、さらに探求することをお勧めします。