電磁波が異なる媒体の界面に遭遇したときの現象
電磁波が空気とガラスや空気と水など、異なる二つの媒体の界面に遭遇すると、反射、屈折、透過の三つの主要な現象が発生します。界面での波の振る舞いは、媒体の特性、例えばその誘電率、透磁率、導電性によって決定されます。
反射
反射は、入射電磁波の一部が元来た媒体へと戻される現象です。入射角(入射波と表面法線との角度)は反射角(反射波と表面法線との角度)と等しくなります。反射は、材料の特性、入射角、および波の偏光によって影響を受けます。媒体間の界面が良導体である場合、ほとんどの入射エネルギーが反射されます。
屈折
屈折は、電磁波が一つの媒体から別の媒体へと進む際に、光の速度が二つの媒体で異なるため、方向を変える現象です。これにより、界面で波が曲がります。これはスネルの法則に従い、n1 * sin(θ1) = n2 * sin(θ2) と表されます。ここで、n1 と n2 はそれぞれ最初と二番目の媒体の屈折率、θ1 と θ2 はそれぞれ入射角と屈折角です。屈折率(n)は媒体の誘電率(ε)と透磁率(μ)に関連しており、n = √(ε * μ) となります。
透過
透過は、入射電磁波の一部が界面を通過して二番目の媒体で伝搬を続ける現象です。伝達されるエネルギーの量は、媒体の特性、入射角、および波の偏光に依存します。入射角が全反射の臨界角を超える場合など、透過が発生せず、全ての入射エネルギーが最初の媒体へ反射される場合もあります。
入射電磁波のエネルギーが反射、屈折、透過する割合は、媒体の特性と波の入射角、偏光によって異なります。光ファイバー、レーダー、無線通信など多くの応用において、これらの現象を理解することは、電磁波と相互作用するシステムの設計と最適化に不可欠です。