一様に帯電した円盤による電場の計算方法を解説。基本理論から具体例まで、初心者にも分かりやすく丁寧に説明します。
一様に帯電した円盤による電場の計算方法
一様に帯電した円盤が作る電場を計算することは、電磁気学における基本的な問題の一つです。この計算にはガウスの法則やクーロンの法則を用います。以下にその手順を示します。
用語と定義
- 面密度 (\(\sigma\)): 一様に帯電した円盤の単位面積あたりの電荷量。
- 電場 (\(\vec{E}\)): 帯電体が作る電場。
- 円盤の半径 (R): 円盤の半径。
- 円盤上の任意点の座標 (z): 円盤の中心からの垂直距離。
計算手順
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電荷要素の定義
円盤の微小領域を考え、その領域内の微小電荷 \(dQ\) は以下で表されます:
\(dQ = \sigma dA\)
ここで、\(dA\) は微小面積要素です。
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微小電荷による電場の計算
微小電荷が作る電場の大きさ \(d\vec{E}\) はクーロンの法則を用いて表されます:
\(dE = \frac{k_e dQ}{r^2}\)
ここで、\(k_e はクーロン定数 (8.99 \times 10^9 Nm^2/C^2)、r は観測点までの距離です。
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距離の表現
z 軸上の任意点までの直線距離 \(r\) は、次のように表されます:
\(r = \sqrt{(R^2 + z^2)}\)
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電場の積分
円盤上の微小電荷が作り出す電場成分を積分して、全体の電場を求めます。z 軸上の垂直成分 (E_z) について積分を行います:
\(E_z = \int_0^R \left( \frac{k_e \sigma 2\pi r^{‘} \cdot z}{(r^2 + z^2)^{3/2}} \right) dr^{‘}\)
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最終結果
積分を完了すると次のような結果が得られます:
\(E_z = \frac{\sigma}{2\epsilon_0} (1 – \frac{z}{\sqrt{R^2 + z^2}})\)
ここで、\(\epsilon_0 は自由空間の誘電率 (8.85 \times 10^{-12} C^2/Nm^2)です。\)
このようにして、一様に帯電した円盤が作り出す電場を計算することができます。この方法は円盤の中心軸上の電場を求めるのに有効です。