リセッタブルヒューズ(PTC)とは、過電流から回路を保護するための再使用可能な自己復帰型の保護部品です。
リセッタブルヒューズ (PTCとは)
電気を使用する際に安全を確保するために、過電流から回路を保護する様々なデバイスが使われています。その中でリセッタブルヒューズ、またの名をPTC(Positive Temperature Coefficient、正の温度係数を持つ)は、一時的な過電流から電子回路を保護する再使用可能な部品として広く利用されています。
PTCヒューズの動作原理
PTCヒューズは、その名前が示す通り正の温度係数を持ちます。これは、素材の温度が上がると抵抗値が上昇する特性を意味します。通常、部品は低抵抗で電流が自由に流れますが、過度の電流が流れると内部の温度が上がり、PTCヒューズの抵抗値が増大します。結果、電流の流れが抑制されて回路が保護されます。
PTCヒューズの利点
- 自己復帰機能:過電流が止まるとPTCヒューズは冷却され、元の低抵抗の状態に戻ります。従って、ヒューズを交換する必要がありません。
- 再利用可能:PTCヒューズは何度もリセットされるため、一度きりの使用と異なり経済的です。
- 簡単な取り扱い:他の過電流保護と比べて、PTCヒューズは設計がシンプルで使いやすいです。
PTCヒューズの欠点
- 制限された選択:PTCヒューズは特定の電流範囲でのみ効果的で、すべてのアプリケーションに適合するわけではありません。
- 遅延応答:PTCヒューズは温度によって動作するため、瞬間的な過電流に対する反応が遅れることがあります。
PTCヒューズの応用例
PTCヒューズは、以下のような多岐にわたる応用を見つけることができます。
- パソコンや携帯電話などのコンシューマー電子製品の保護
- 充電式バッテリーパックの過充電保護
- スピーカー、モーターなどの過電流からの機器の保護
まとめ
リセッタブルヒューズ(PTC)は、電子回路を過電流から守るために重要な役割を果たします。自己復帰機能により、使い勝手がよく、コスト効率も良いです。しかし、使用する際には、その動作特性と限界を理解し適切なアプリケーションに選択することが必要です。