電圧の単位:ボルト(Volt)の定義
電圧の単位であるボルト(Volt)は、導体の二点間の電気的なポテンシャル差が、その二点間で1アンペアの電流が1ワットの電力を消費する場合に定義されます。電気ポテンシャル、電位差(電圧)、及び起電力に関して、ボルトは国際単位系(SI)における導出単位です。国際単位系(SI)において、電気ポテンシャルはジュール毎クーロン(J・C-1)またはボルト(V)で表されます。ボルトの名称は、イタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタ(1745-1827)にちなんで名付けられました。
電圧の生成方法
電位、または電気ポテンシャルは、以下の方法によって生成されます:
- 静電気 – 日常で遭遇するほとんどの静電気は、トライボエレクトリック効果によるものです。異なる二つの材料を擦り合わせることで、電子が一方の物体から他方に移動し、電荷が発生します。
- 電気化学 – 特定の金属と化学物質を組み合わせることにより、化学反応が起こり電子が移動し、電気エネルギーが生成されます。
- 磁気誘導 – 固定された磁場を通してワイヤのコイルを回転させること、または固定されたコイルのワイヤを通して磁場を回転させることにより、電気ポテンシャルが生じます。
- 圧電効果 – 特定の材料を曲げたりねじったりすることにより、電子が力の方向に移動し、力が解放されると電子が元の軌道に戻ります。
- 熱電効果 – 二つの異なる材料を接合して加熱すると、材料間で電子の移動が起こり、電流が流れます。
- 光電効果 – 物質の表面に電磁放射(光子)が当たると、光電子が放出されます。
- 熱電子放出 – 熱い表面から電子を放出することにより、電子が脱出します。
電圧の典型的な例
異なる大きさの電圧を比較するために、以下に典型的な電圧のレベルを記述します。
- 1.5V(DC) – 非充電式アルカリ電池(AAA、AA、Cセルなど)の一般的な開回路電圧です。
- 3.8V(DC) – ほとんどのスマートフォンのバッテリーがこの電圧で動作します。充電器からバッテリーへ電流を流すためには、電位差が必要です。
- 12V(DC) – 自動車のバッテリーで一般的な電圧です。
- 110 – 120V(AC) – 家庭で最も一般的な電源の電圧です。アメリカ大陸では110から120ボルト(AC)の電圧を使用し、ヨーロッパ、アジア、アフリカでは220から240ボルト(AC)を使用します。
- 3kV – 電気アークを1mm生成するために必要な電圧です。空気は電気の非常に悪い導体であり、高い絶縁強度を持っています。
よくある質問
なぜアルカリ電池(AAAやAA)は1.5Vで作られているのに、充電式は1.2Vなのですか?
一次電池は使用に伴い電圧が徐々に低下し、1.5ボルトから始まって1.2ボルトに下がり、装置が動作しなくなる1.0ボルトまで下がります。二次電池は1.2ボルトでより一様に動作し、ほぼ1.2ボルトで放電され、使用が終わると急速に1.0ボルト以下に落ちます。