ドップラー効果の式と基本原理を解説し、具体的な計算方法を例を通してわかりやすく説明。音波や光波に適用される物理現象を理解する。
ドップラー効果の式 | 解説と計算方法
皆さんは救急車が通り過ぎるときにサイレンの音が高くなったり低くなったりするのを感じたことがありますか?これがドップラー効果の一例です。ドップラー効果は、音源と観測者の相対運動によって、音波の周波数や波長が変わる現象です。電磁波の場合も同様の効果が見られます。この記事では、ドップラー効果の基本的な原理とその計算方法について解説します。
ドップラー効果の基本原理
ドップラー効果は、音源が観測者に向かって動くとき、音波の周波数が高くなる、つまりピッチが高くなる現象です。逆に、音源が観測者から遠ざかると、周波数が低くなり、ピッチが低くなります。この原理は音だけでなく、光や電磁波にも適用されます。
ドップラー効果の式
ドップラー効果の式は以下の式で表されます。
音波の場合、音源が観測者に向かって移動する場合の周波数の変化は次のようになります:
\( f’ = \frac{f (v + v_o)}{v – v_s} \)
ここで:
- \( f’ \):観測される周波数
- \( f \):音源の発する周波数
- \( v \):音の速度(空気中では約343 m/s)
- \( v_o \):観測者の速度(音源に対して正の方向)
- \( v_s \):音源の速度(観測者に対して正の方向)
音源が観測者から遠ざかる場合は、式は次のようになります:
\( f’ = \frac{f (v – v_o)}{v + v_s} \)
計算方法の例
具体的な例を通して計算方法を見てみましょう。例えば、救急車(音源)が30 m/sの速度で観測者に向かって移動しており、観測者は静止しているとします。このとき、救急車のサイレンの元の周波数は700 Hzです。
観測される周波数 \( f’ \) を求めるための式は:
\( f’ = \frac{700 \times (343 + 0)}{343 – 30} \)
これを計算すると:
\( f’ = \frac{700 \times 343}{313} \approx 767.1 \text{Hz} \)
したがって、救急車が近づいているときに観測者が聞くサイレンの音は約767.1 Hzとなります。
光のドップラー効果
光のドップラー効果は天文学や宇宙物理学で非常に重要です。光の場合は、光源と観測者の相対速度が非常に高速であるため、相対論的ドップラー効果も考慮する必要があります。光の場合の一般的な式は:
\( f’ = f \sqrt{\frac{1 + \frac{v}{c}}{1 – \frac{v}{c}}} \)
ここで:
- \( c \):光の速度(約299,792,458 m/s)
- \( v \):光源の速さ
まとめ
ドップラー効果は、音波や電磁波が音源と観測者の相対運動によって変化する現象です。その基本的な原理を理解することで、日常生活や宇宙規模の現象をより深く理解する手助けとなります。計算も比較的簡単なので、是非挑戦してみてください。