コイル間の相互インダクタンスを計算する方法を解説。基本原理から数式の導出まで、初心者にもわかりやすくステップバイステップで説明します。
コイル間の相互インダクタンスを計算する方法
相互インダクタンス(Mutual Inductance)は、2つのコイルが互いに及ぼす影響を示す物理量です。これは、1つのコイルの電流が変化することによってもう1つのコイルに電圧が誘導される現象を説明します。相互インダクタンスは、以下の方法で計算できます。
1. 基本概念
コイル A と コイル B があり、コイル A に電流 IA が流れているとします。このとき、コイル B には電磁場が発生し、起電力 VB が誘導されます。この誘導電圧は、次の式で表されます:
\[ VB = – M \frac{dIA}{dt} \]
ここで、M は相互インダクタンスを表します。
2. 相互インダクタンスの計算
相互インダクタンス M は、以下のようなステップに従って計算されます:
\[ \PhiB = LB IA \]
\[ VB = \frac{d\PhiB}{dt} \]
\[ M = \frac{NB \PhiB}{IA} \]
ここで、NB はコイル B の巻き数です。
3. 実際の計算例
例えば、コイル A の巻き数 NA が100回、コイル B の巻き数 NB が200回、コイル A に 10 アンペアの電流が流れたとします。コイル B に発生する磁束が 0.01 ウェーバー(Weber)である場合、相互インダクタンス M は以下のように計算されます:
\[ \PhiB = 0.01 \, \text{Wb} \]
\[ IA = 10 \; \text{A} \]
\[ M = \frac{200 \cdot 0.01}{10} = 0.2 \, \text{H} \]
この結果から、相互インダクタンス M は 0.2 ヘンリー(Henry)であることがわかります。
まとめ
相互インダクタンスは、電磁誘導の基本的な概念の一つであり、多くの電気機器で重要な役割を果たします。正確に計算するためには、フラックス リンケージや誘導電圧などのパラメータを正確に測定する必要があります。初心者でも理解しやすい基礎を押さえ、応用力を高めていきましょう。