アドミタンスとは?交流回路における計算法を分かりやすく解説し、基本的な概念から計算手順までを詳述した入門記事です。
アドミタンスとは?交流回路での計算法を解説
アドミタンス(Admittance)は、電気回路における重要な概念です。特に交流(AC)回路では、回路の挙動を理解するために頻繁に使われます。この記事では、アドミタンスの基本概念と計算法について詳しく解説します。
アドミタンスの基本概念
アドミタンスは、交流回路において回路全体の容易さを示す量です。アドミタンスはインピーダンス(Impedance)の逆数として定義され、回路を通る電流の流れやすさを示します。記号 Y で表され、単位はジーメンス(S)です。
インピーダンス Z が複素数として表示されるように、アドミタンスも複素数で表示されます。以下のように表されます:
Y = G + jB
- G: コンダクタンス(Conductance)、実数成分
- B: サセプタンス(Susceptance)、虚数成分
アドミタンスの計算法
アドミタンスを計算するためには、まずインピーダンスを求め、それを逆数にします。具体的には以下のように計算します:
基本的なインピーダンスとアドミタンスの関係
インピーダンス Z が抵抗 R とリアクタンス X で構成される場合:
Z = R + jX
インピーダンスの逆数をとると、アドミタンス Y が得られます:
\(Y = \frac{1}{Z} = \frac{1}{R + jX}\)
この式の分母を有理化するために、共役複素数 (R – jX) を掛けます:
\(Y = \frac{1}{R + jX} * \frac{R – jX}{R – jX} = \frac{R – jX}{R^2 + X^2}\)
これにより、実部と虚部に分けて考えます:
\(Y = \frac{R}{R^2 + X^2} – j\frac{X}{R^2 + X^2}\)
したがって:
- G = \(\frac{R}{R^2 + X^2}\)
- B = \(-\frac{X}{R^2 + X^2}\)
まとめ
アドミタンスは、交流回路における電流の流れやすさを示す重要な量です。基本的にはインピーダンスの逆数として計算され、実数成分であるコンダクタンスと虚数成分であるサセプタンスから成ります。これを理解することで、交流回路の解析や設計がより容易になります。